AGAの治療薬は、プロペシア(フィナステリド)、ザガーロカプセル(デュタステリド)、そしてミノキシジル外用剤などが挙げられます。薬剤には独自の特徴と効果があり、症状やニーズに応じて選択されます。治療を検討する際には、これらの特徴を理解することが重要です。
ここでは、AGA治療薬の種類とその効果や副作用について詳しくご紹介します。薬の種類で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■AGA治療薬とは
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが原因で起こる脱毛症です。具体的には、テストステロンというホルモンがDHT(ジヒドロテストステロン)という物質に変わり、これが毛根に悪影響を与えるため、髪の成長を妨げます。
AGA治療薬は、このDHTの生成を抑えたり、髪の成長を助ける働きを持っています。治療薬は、飲み薬と頭皮に直接塗る薬の2種類です。主な成分としては、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルが使われています。これらの薬は、抜け毛を減らし、髪の成長を促進することで、薄毛の改善に役立ちます。
■AGA治療薬プロペシア(フィナステリド)
プロペシア(フィナステリド)は、男性型脱毛症(AGA)の治療薬として広く使われている薬です。もともとは前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、薄毛の改善効果が認められ、AGA治療薬として再開発されました。日本では2005年に厚生労働省から認可を受け、現在も多くの方に使用されています。
プロペシア(フィナステリド)の作用
プロペシアの主成分であるフィナステリドは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制します。DHTは男性ホルモンの一種で、髪の毛の成長を妨げるため、これを抑えることでヘアサイクルを正常化し、脱毛を防ぎます。
注意すること
プロペシアの効果を実感するには、通常3〜6ヶ月の継続的な服用が必要です。初期には「初期脱毛」と呼ばれる一時的な抜け毛の増加が見られることがありますが、これは新しい毛が生える準備段階で起こる現象です。
プロペシアは女性や未成年には推奨されておらず、妊娠中の女性が服用すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。また、服用中は献血ができないため注意してください。
プロペシアの服用は1日1回、1錠を決まった時間に飲むことが大切です。飲み忘れた場合でも、まとめて飲むことは避け、次の服用時間まで待つようにしましょう。
副作用
性欲減退や勃起不全、肝機能障害などが報告されていますが、発症率は低めです。また、アレルギー反応や肝機能障害も稀に見られます。
AGA治療薬ザガーロカプセル(デュタステリド)
ザガーロカプセルは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬で、特に前髪の生え際や頭頂部の薄毛に効果があります。2015年に厚生労働省に認可され、プロペシア錠に次ぐ第二のAGA治療薬として知られています。
ザガーロカプセル(デュタステリド)の作用
主成分はデュタステリドで、もともとは前立腺肥大症の治療薬として開発されました。デュタステリドは、AGAの原因とされる還元酵素「5αリダクターゼ」のⅠ型とⅡ型の両方に作用するため、プロペシア錠よりも広範な効果が期待できます。
ザガーロカプセルを服用すると、まず3ヶ月ほどで抜け毛が減少し始めます。6ヶ月から1年ほどで、うぶ毛が濃くなり、薄毛が目立たなくなり始めることが多いです。効果を実感するまでに時間がかかることもありますが、治療を継続することが重要です。
注意すること
1日1回1錠を服用し、毎日同じ時間に飲むことが推奨されています。カプセルを噛んだり開けたりせず、そのまま飲み込んでください。
ザガーロカプセルは、20歳未満の方や女性、肝機能に重度の障害がある方には使用できません。また、妊娠中の女性が漏れ出した薬剤に触れると、男性胎児の発育に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
副作用
副作用としては、肝機能障害や精力減退、頭痛、乳房の痛みなどが報告されています。
■AGA治療薬ミノキシジル外用剤
ミノキシジルは、AGA(男性型脱毛症)治療薬として長い歴史を持つ薬です。もともとは1970年代に高血圧治療薬として開発されましたが、その臨床試験中に多毛症という副作用が発見され、これを利用して発毛剤としての開発が進められました。1980年代には、米国で初めてAGA治療薬として承認され、日本でも1999年に市販化されました。
ミノキシジル外用剤の作用
ミノキシジルの作用メカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの仮説があります。ミノキシジルは毛包(毛根を包む組織)に直接作用し、これを活性化させることで発毛を促進します。
また、血管拡張作用により頭皮の血流を増加させ、毛包に栄養や酸素を供給しやすくするのもミノキシジルの作用です。さらに、成長期を延長し、休止期を短縮することで、毛髪の太さや量を増やす効果も期待されています。
ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、外用薬は日本では1%(主に女性用)と5%(主に男性用)が一般的で、1日2回頭皮に塗布します。効果が現れるまでには3〜6ヶ月かかり、使用をやめると元の状態に戻ることがほとんどです。内服薬は日本ではAGA治療薬としては認可されていません。
注意すること
過去にアレルギー反応があった場合や、心臓や腎臓に病気がある場合は、事前に医師に相談することが重要です。また、妊娠中や授乳中の方、未成年者も使用を避けてください。
副作用
副作用としては、皮膚の赤みやかゆみ、かぶれなどが報告されています。
■まとめ
AGA治療薬には多くの種類があり、それぞれ異なる効果と副作用があります。病状や個々のニーズに応じて、適切な薬を選ぶことが重要です。
また、AGA(男性型脱毛症)は進行性のため、治療を継続しないとどんどん進行していきます。治療薬の内服を中断すると、再び脱毛が進行してしまう可能性があります。一人で悩んだり、自己判断したりせず、まずはご相談ください。