最近、頭髪が薄くなってきたと感じた場合、「もしかするとAGAかも」と悩むかもしれません。また、すでにAGAと診断された場合、これからの進行に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。進行度を理解することは、治療をすすめるうえで大切な事です。
今回は、AGAの典型的なパターンについてわかりやすく解説します。AGAは早期治療が大切です。この記事を参考にして、放置しないようにしましょう。
目次
■AGAの分類とは
AGA(男性型脱毛症)は進行する特徴があり、薄毛が進むパターンに一定の傾向があります。その進行度を判断するために「ハミルトン・ノーウッド分類」という指標が使われています。これは、AGAの状態をタイプ別に分け、薄毛がどの程度進行しているかをわかりやすく示すものです。
進行パターンは主に3つに分けられますが、これらが複合的に現れることで、さらに「頭頂部が薄くなる型(Vertex型)」が追加される場合もあります。ただし、どのパターンで進行した場合でも、最終的にはⅦ型と呼ばれる最も進んだ状態に至るのです。
この分類はⅠ型からⅦ型までの数字で表され、数字が大きいほど進行が進んでいることを示しています。数字が進むにつれて、抜け毛の範囲が広がり、薄毛が目立つ状態といえるでしょう。
この分類を知ることで、自分の薄毛の進行状況を把握しやすくなり、適切な治療計画を立てる手助けになります。
■ハミルトン・ノーウッド分類
AGA(男性型脱毛症)の進行パターンを分類した方法で、その名前はアメリカのハミルトン氏と、後に分類法を改良したノーウッド氏に由来しています。この分類法は、欧米人のAGAにおける進行パターンを体系化したものです。
欧米人と日本人を含むアジア人では、進行パターンに違いが見られます。そのため、日本では高島巌氏が日本人や女性に適した形に修正した「高島分類」が使用されています。頭頂部が薄くなる「II vertex型」も含まれており、より日本人の特性に即した分類です。
◎Ⅰ型(初期症状)
初期の状態です。生え際が少し後退し始めますが、ほとんど目立ちません。
◎Ⅱ型
生え際の薄毛が進行し、見た目にも少しずつ変化が現れます。
Ⅱ型vertex ➝ は頭頂部の薄毛も加わり、O型の薄毛が目立ち始める
Ⅱa型 ➝ 前頭部の薄毛が進行している
◎Ⅲ型(中等症)
生え際の薄毛がさらに進行しM字型となり、全体的な髪のボリュームが減少します。
Ⅲ型vertex ➝ 頭頂部のO型の薄毛が進行し、頭皮の露出が顕著になる
Ⅲa型 ➝ 生え際の薄毛が進行してM字になっている、全体的な髪のボリュームも減少
◎Ⅳ型
生え際の後退が進み、頭頂部がさらにO型に薄くなっている状態です。
Ⅳa型 ➝ Ⅲa型より更に前頭部が進行、髪が残っていたM字の中心部分も薄い状態
◎Ⅴ型
生え際と頭頂部の薄毛が広がり、頭皮が大きく露出するようになります。
Va型 ➝ Ⅳa型より更に前頭部が進行、頭頂部の髪の毛もさらに薄くなり始める
◎Ⅵ型(重症)
生え際から頭頂部にかけて完全に頭皮が露出した状態になります。
◎Ⅶ型
後頭部にかけて薄毛が進行し、頭皮の露出がさらに広がります。
■特徴的な脱毛パターン
進行すると、脱毛の仕方に特徴が現れます。その形状がアルファベットに似ていることから、「M字型」「O字型」「U字型」といったパターンに分けられています。
◎M字型
生え際が後退して額が広くなる脱毛パターンです。初期段階であるⅠ型やⅡ型の頃に多く見られます。前髪を上げるとこめかみ部分が露出し、アルファベットのMのような形になるのが特徴です。
◎O字型
頭頂部が円形に薄くなっていくパターンです。Ⅱ型vertexからⅣ型以降で見られ、上から見るとアルファベットのOのように見えるのが特徴になります。鏡では確認しにくいため、家族や友人に指摘されて気づく場合が多い脱毛パターンです。
◎U字型
額全体が後退する脱毛パターンです。Ⅳa型からⅦ型に進行する段階で見られ、額の脱毛が進むと同時にO字型が併発することも多く、前頭部から頭頂部まで広範囲に薄毛が進行します。進行を抑えるためには早めの治療が重要です。
■進行を食い止めるために早めの受診を
AGAの進行度を把握することは、適切な治療法を選ぶ上で重要です。例えば、初期段階では内服薬や外用薬が効果を発揮しやすい一方で、進行が進んだ場合には植毛などの外科的治療が必要になることがあります。進行度を正しく理解することで、効果的かつ無駄のない治療プランを立てられます。
進行度の分類を参考にしながら、まずは気軽にご相談ください。