
AGA(男性型脱毛症)は、加齢に伴って進行する脱毛症ですが、実は10代後半から始まることもあることを知っていますか?男性ホルモンの影響を受けやすい前頭部や頭頂部の毛包が縮小し、髪が細く短くなることで脱毛が進行します。
本記事では、年代別に見たAGAの発症率と、その特徴を詳しく解説します。自分の年齢に応じた対応を知り、早期発見・早期治療の重要性を理解しましょう。
目次
■AGAは何歳から始まるのか?
AGAは、典型的には20代後半から30代にかけて初期症状が現れるとされますが、10代後半から発症する「若年性AGA」も報告されています。進行には個人差があり、遺伝やホルモンバランス、生活習慣、ストレスといった複数の要因が複雑に関与しています。AGAは自然に治ることはほぼなく、進行を止めるには医学的な介入が必要です。
全年齢 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代以降 |
約30% |
約10% |
20% |
30% |
40数% |
参考元:『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版』
■20代:静かに始まる脱毛のサイン
20代の男性におけるAGAの発症率は、10%程度と報告されています。この年代のAGAは、額の生え際がやや後退してきたり、髪にハリやコシがなくなったりと、初期段階では変化に気づきにくいことが特徴です。
見た目の大きな変化が出にくいぶん、放置されやすく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。家族にAGAの既往がある場合は、発症リスクが高まります。
進行が早い傾向にあるため、軽視せずに専門医の診察を受けることが重要です。
■30代:自覚症状が現れやすい年代
30代では、AGAの発症率は20%程度に上昇し、外見的な変化がより顕著です。額の生え際の後退に加え、頭頂部のボリュームが減ってくるなど、複数部位に薄毛が現れる傾向があります。仕事や家庭でのストレス、生活習慣の乱れがホルモン分泌に影響を与え、AGAの進行を加速させる要因となることもあります。
30代は、外用薬や内服薬による治療効果が期待できる年代のため、症状に応じた適切な治療を始めることで、進行の抑制が可能です。
■40代:抜け毛の進行が加速しやすい時期
40代になるとAGAの発症率は約30%に達し、多くの男性が薄毛に悩むようになります。特に頭頂部の髪が薄くなりやすく、髪全体の密度が減少して地肌が目立ちやすくなります。加齢に伴う男性ホルモンの変化だけでなく、血行不良や皮脂分泌の増加など、頭皮環境の悪化も進行の一因です。
40代でのAGA対策には、毛髪サイクルを意識した長期的な治療と生活習慣の見直しを両立させる必要があります。
■50代:多くの人が治療を意識する年代
50代では、AGAの発症率は40%に達し、男性の約半数近くが薄毛に悩む時期です。頭頂部全体が薄くなったり、生え際が大きく後退するなど、見た目の変化がはっきりと現れるため、治療への関心も高まります。
この年代では、すでに毛包の萎縮が進んでいるケースも多く、治療の目的は「発毛」よりも「現状維持」や「悪化防止」にシフトすることがあります。
■60代以降:現状維持を目的としたケアが中心に
60代以降になると、薄毛が顕著な状態となっている方が多数です。高齢になるほど、頭皮の血行や皮脂のバランスが悪化しやすく、毛包の機能自体も弱まります。このため、積極的な発毛よりも、頭皮環境の改善や抜け毛予防といった「維持」に重きを置いたケアが現実的な目標になります。
■AGAの進行は予防と早期発見がカギ
AGAは「自然に止まることのない脱毛症」です。一度発症すると、何も対策をしなければ年齢とともに着実に進行していきます。大切なのは、自分の髪の変化に気づいた時点で適切な行動を取ることです。
現在では、内服薬・外用薬・光治療・自毛植毛など多様な治療法があり、自分に合った治療を選べます。
■年齢に応じた適切な対応を
AGAはあらゆる年代で発症の可能性があり、30代以降は急激に発症率が高くなります。発症年齢に応じた治療法の選択と、早期の対応が症状の進行を左右します。20代で気づけば進行を抑えるチャンスがあり、50代・60代であっても治療とケアで見た目の印象を改善することは可能です。
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、知らずに進行しているかもしれません。薄毛や抜け毛に気づいたら、まずは気軽にご相談ください。自分に合った治療と予防をスタートさせましょう。