「なんとなく疲れが取れない」「やる気が出ない」「汗が突然出て困る」――40代以降の男性がこうした不調を抱えている場合、それは「男性更年期障害(LOH症候群)」かもしれません。
これまでプラセンタは女性の美容や更年期対策に使われるものと思われてきました。しかし、近年では男性にも注目され、治療の選択肢として広がりを見せています。
この記事では、男性更年期に対するプラセンタ注射の効果やリスクを詳しく解説します。更年期障害で悩んでいる男性の方は参考にしてください。
目次
■男性も更年期障害になる?LOH症候群とは
「なんとなく元気が出ない」
「急に汗が噴き出す」
「夜ぐっすり眠れない」
40代以降の男性にこうした不調が続くようなら、それは更年期かもしれません。
「更年期は女性のもの」と思われがちですが、実は男性にも起こります。中年以降、男性ホルモン(テストステロン)は少しずつ減っていきます。その変化が心や体にじわじわと影響し、「加齢性腺機能低下症」または「LOH(Late-Onset Hypogonadism)症候群」と呼ばれる状態になるのです。
◎男性更年期の症状
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疲れやすくなる
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やる気が出ない
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肩こりや腰の痛み
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寝汗やのぼせ
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不眠
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イライラ
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うつっぽさ
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性欲や勃起力の低下
「年のせい」と片づけてしまいがちなこれらの不調が、実はホルモンバランスの乱れによって引き起こされていることがあります。
◎男性更年期の原因
テストステロンは筋肉や性機能にかかわるだけでなく、脳の働きや血管の健康にも関係しており、「男らしさ」だけでなく「中年以降の健康」そのものを支える存在です。ストレスや睡眠不足、運動不足なども男性ホルモンを減らす原因になるため、生活習慣を見直すことで症状が改善するケースもあります。
■プラセンタ注射とは?
プラセンタとは、ヒト胎盤から抽出した成分で、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、成長因子などを豊富に含む注射製剤です。もともとは更年期障害や肝機能障害の治療に使用されてきましたが、近年では疲労回復や美容目的でも広く使われています。
■男性に期待されるプラセンタ注射の効果
プラセンタ注射は、加齢による不調を根本からサポートする手段となります。
◎更年期症状の緩和
プラセンタは自律神経やホルモンバランスを調整する作用があり、男性の更年期にみられる倦怠感、不眠、イライラ、性機能の低下などをやわらげる効果が期待できます。女性のような急激な変化ではなく、緩やかに進行する男性更年期には継続的な治療が効果的です。
◎慢性的な疲労の軽減
プラセンタには細胞の新陳代謝を活性化し、血流を改善する作用もあります。これにより、乳酸などの疲労物質の蓄積が抑えられ、慢性的なだるさや肩こり、不眠といった不調の緩和が見込めます。
◎肌・髪のアンチエイジング効果
プラセンタに含まれる成分は、コラーゲン生成を促進し、肌のハリやツヤを保つ作用があります。また、抗炎症作用や血行促進効果により、頭皮環境を整え、抜け毛や薄毛の予防・育毛効果にもつながる可能性があります。
■男性が知っておきたいプラセンタのリスクと注意点
プラセンタ注射は、重い副作用の報告がほとんどなく、比較的安全性の高い治療とされていますが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
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注射部の腫れ・赤み・かゆみ
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アレルギー反応(稀)
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注射後は献血ができなくなる
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男性の更年期障害は保険適応外
注射部位に腫れや赤み、かゆみが出ることがあります。これは一時的な反応であることが多いものの、アレルギー体質の方や過去に注射で肌トラブルがあった方は、事前に医師と相談することが大切です。
また、まれにアレルギー反応や体調不良が起こるケースもあるため、初めて受ける際は経過をしっかり観察しましょう。
次に、プラセンタ注射を受けた人は、その後献血ができなくなります。これはヒト胎盤由来の成分を使用しているため、安全性には配慮されているものの、将来の万が一のリスクを完全に排除できないという国の方針に基づいています。
また、男性の更年期障害に対するプラセンタ注射は保険適用外となるため、治療はすべて自費診療になります。クリニックによって費用は異なりますが定期的な通院が必要なため、費用面の確認も事前にしておくと安心です。
■男性にもプラセンタという選択肢を
男性の更年期は、気づかないうちに心と体の不調が重なっていくことが多く、早めの対処が大切です。プラセンタ注射は、テストステロンの減少に伴う多様な不調に対して、多角的にアプローチできる治療法の一つです。
「男性だから」「年齢だから」とあきらめず、まずはご相談ください。健やかな毎日を取り戻すための一歩になるはずです。